2014年2月19日水曜日

プロスペクトレポート #4 Taylor Jordan

~~スマートグランドボーラー~~

タイラー・ジョーダン(RHP)



Bats/Throws     R/R
Height/Weight   6-3/190


Prospects Ranking By Team


MLB.com      #20 (2012)



・経歴

ナショナルズが09年にドラフト9巡目で指名した掘り出し物。現在25歳。マイナーでの成績も平凡で注目されておらず、プロスペクトランキングにもほとんど名前が挙がっていなかった
2011年は好成績を収め、South Atlantic League のAll-Star teamに選出されますが、直後にを故障し、トミージョン手術。
2012年はAとA-で15試合先発し、3勝7敗防御率5.13。
ところが2013年はトミージョン手術のおかげか球速が手術前を越えるなど覚醒。9勝1敗、防御率1.00の成績で一気にメジャー昇格。昇格後も持ち味のコントロールとシンカーでグランドボールを量産。存在感を示しました。
今年は足首の故障で出遅れるも既にブルペンで投げられるまでに回復。先発ローテーションの5番目の枠を争います。なおチームはジョーダンをあくまでも先発として育てていく方針なのでロースターからあふれた場合リリーフに回ることなく、AAAで開幕ということになりそうです。





Date: 07/28/2013Duration: 00:58
7/28/13: Taylor Jordan strikes out seven and gives up just one earned run in six innings, notching his first career win vs. the Mets





・レポート



Pitching

よく沈むツーシーム、スライダー、サークルチェンジの3球種がメイン。カッターとカーブも時折交ぜる。
持ち前のコントロールでボールをとにかく低めに集め、ゴロの山を築くピッチングスタイルは前ジョンソン監督も絶賛。
K/9=5.05と球威不足が指摘されるもBB/9=1.50&GB%=57.5%は優秀。最大の敵は故障??


Fast Ball(平均91マイル)=△

最速96マイルと球速自体は遅くないが、13年はメジャーで被打率.363、空振り率3.6%と球威不足は否めない。
ただ、素晴らしいコマンドに支えられた速球はよく動き、よく沈むためメジャー54イニングで10個の併殺を奪いGB%は60.8%をマークするなどゴロを量産。低めを徹底的に突くピッチングはメジャーでも通用しています。ツーシームは素晴らしいですが、左バッター対策としてカッターは磨いておきたいところ。


Slider(平均84マイル)=〇

決め球。被打率.188、空振り率21%Val評価は+4.24。速球同様徹底的に低めを突きGB%=55.9%とゴロを打たせるのにも効果的

Chenge Up(平均83マイル)=〇

スプリットに近い。スライダーに次ぐ決め球。被打率.200、空振り率21%Val評価も+を記録。非常に落差が大きい。それだけでなくシュート方向にも大きく変化する。左バッターだけでなく、右バッターへの決め球としても使っています。


Command=◎

メジャーではBB/9=1.50、マイナー通算でも2.1と抜群。とにかく低めに集める。直球、スライダー、チェンジアップの3球種を完璧にコントロールできる。


VS L Hitters=×

これからメジャーで活躍していくためには改善しなければならないウィークポイント。昨年、左バッターに対しては被打率.304(対右.272)、被OPS.762(対右.658)で奪った三振はわずか5つ(対右24)。打数の違いを考慮してもK/9=1.96(対右7.53)は看過できません。
右バッターに対しては外のスライダーで三振を稼ぎましたが、左バッターに対してはスライダーで三振が取れないため苦戦。
しかし対右バッターのK/BBは4.00と高水準なので苦手な左バッターを克服すれば大分いいピッチャーに進化すると思います。


Mechanics

腕を目一杯に引く独特なアーム投法は見ていて危なっかしいですが、アメリカではこのように肘を立てて、「L字」にホールドする投球フォームは負荷が小さくケガをしにくいと言われています。しかし、いささか彼の場合はテークバックが大きすぎて、無理な力がかかって故障のリスクを上げている気がします。(現に肘こわしてトミージョン手術をしていますし)

しかしこのフォームが彼の武器の一つあることは否定できません。



次にこの画像を見てください。凄いクロスファイヤーです。あんだけテークバックを引いて、そこからクロスファイヤーで投げ込んでくるのでバッターは投球の見極めが困難になります。

特に右バッターなんてスライダーほとんど見えていないんじゃないでしょうか。

しかも彼は速球、スライダー、チェンジアップを同じフォームから投げることができるのでより一層球の見極めを難しくしています。


また急激な投球イニングの増加から故障が懸念する声もあります。

トミージョン手術後の12年は54イニング。ところが昨13年は142イニング投げました



しかし、どんな理想的なフォームのピッチャーでもケガをしたり、絶対ケガするなんて言われてたピッチャーが健康だったり、投手の耐久性とフォーム、イニング数の関係はよくわかりません。


まあ、結論から言いますと、ケガしなければそれでOK!!という感じです。


ただ耐久性には個人差があります。一人一人の耐久性に応じた管理、見極めが重要です。


総評

正直今年はAAAスタートでしょう。下でじっくり経験積んで、ケガなく1年送ってほしいです。
ただいつ何が起こるかわからないので、ケガ人や不調の選手が出れば上で投げることになるでしょう。
とにかく左バッター対策が課題。今年は下でカッターとチェンジアップの精度を磨いていくことになるでしょう。
















0 件のコメント:

コメントを投稿