2024年4月12日金曜日

2024 KANSAS CITY ROYALS TOP 20 PROSPECTS

2024 KANSAS CITY ROYALS

TOP 20 PROSPECTS

Nick Loftin


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV45

1.ニック・ロフティン(IF/OF)/Nick Loftin:25歳
スターポテンシャルではないが、KC傘下出身であるウィット・メリーフィールド(PHI)のようなスーパーユーティリティとして期待できる即戦力選手。打者としてはコンタクト力が高く、3Aでゾーン内コンタクト率89.7%・OPS.788をマーク。MLBでも19試合でOPS.803とよく打った。メークアップの高さ、昨季は9盗塁にとどまったが22年に29盗塁を決めた俊足、内外野幅広く守れる守備力からチームの戦力として役立ってくれるだろう。
23年はA+/2Aでの23先発で防御率3.30・FIP3.23・奪三振率28.8%と支配的な投球を披露し、傘下の最優秀投手に選出された。最速99マイルの速球とフェード軌道のチェンジアップがプラスピッチ候補で、右打者にはスライダー&カーブを決め球に投じる。やや与四球は多いが、90級未満で安定して6-7回を投げることができており、先発適性は高いと見える。

3.ブレーク・ミッチェル(C)/Blake Mitchell:19歳
23年ドラフト全体8位指名の高卒攻撃型捕手。22年のUnder Armour All-America GameでMVP獲得、U-18では捕手兼投手の二刀流でプレーとアマチュアでの実績は十分。プラスのパワーポテンシャルを秘めるが、プロではR/Aでの13試合で打率.147・三振率26.9%とコンタクト面で苦戦(四球率32.7%と選んでもいたが)。これからの成長に期待したい。


FV40

4.
ラモン・ラミレス(C)/Ramon Ramirez:19歳
23年1月にわずか契約金5.75万ドルで契約するとDSLでOPS1.005・wRC+168と打ちまくり評価を一気に上げた。打撃ポテンシャルが魅力で、DSLではゾーン内コンタクト率90%、すでにMLB平均相当となる上位10%の打球速度103マイルを計測。捕手守備は発展途上だが、貴重な強打の捕手になり得る素材だ。

5.フランク・モジカト(LHP)/Frank Mozzicato:21歳
21年ドラフト全体7位指名。コントロールに難があるが、89-92マイルのホップ変化の大きい4シーム&21年ドラフト組No.1と評される絶品カーブのコンビネーション。23年は最初の9先発で防御2.14・奪三振率40.0%と順調だったが、練習でチームメイトと衝突し故障離脱、復帰後は体重減少によるコンディション不良などで以降は12先発/防御率7.14と不振に悩まされた。昨季前半のような投球を1年間続けられるか。
23年ドラフト2巡目の高卒投手。オーバースロットとなる契約金280万ドルで入団した。高校ではあまり多くのショーケースでの実績はないが、ドラフト年2月のショーケースで参加者トップとなるMAX97.7マイルを計測し評価上昇。MLBトップクラスの縦変化量20インチと球質も良く、スライダーも2700rpmに達するなどポテンシャルは高い。数年後のブレークに期待。

7.
ケイデン・ウォラス(3B)/Cayden Wallace:22歳
22年ドラフト2巡目。アーリーエントリーで大学2年時にプロ入り、21歳のシーズンで2A到達と数字以上に頑張っている印象。広角にライナーを打ち分ける二塁打マシーンタイプで、パワーを伸ばせるかが価値を決めるだろう。守備ではダブルプラスの強肩の持ち主で、走力も平均から平均以上と機敏さも問題なく、3Bにとどまれるとの見立て。

21年ドラフト3巡目指名。ドラフト時はNo.1ピュアヒッターとの呼び声高かったが、22年=打率.227、23年=.211と低打率に苦しんでいる。しかしながらプラスのパワー&四球率18.5%のアプローチは強み。19歳のシーズンであることを考慮すればA+でwRC+109は健闘したと言える(300打席以上では2位、200打席以上でも6位)。捕手守備は発展途上ながら昨季は捕球/送球いずれも向上。

ワークホースポテンシャル。6-5/220の巨体投手で、昨季はA+/2Aで防御率3.33とブレイク。25先発で135.1回(平均5.4回)を消化。安定して6回を90球でまとめることができる。平均93マイル超で高スピンの4シームを軸にスピンレート2600rpm超で切れの良いスライダーで仕留める。第3球種のカーブもスピンレート2700rpm超で空振りが取れる。チェンジアップの向上が課題。
20年ドラフト3巡目。パワーと選球眼を兼ね備えており、走力&肩の強さもメジャー平均レベルでRF適性あり。23年は3AでwRC+103と平均的な数字にとどまったが、8月以降はwRC+133・四球率18.4%/三振率19.6%と素晴らしい内容だった。MAX打球速度&上位10%の打球速度はいずれもMLB平均以下の数字だったが、アプローチの良さや走守の安定性から少なくとも第4の外野手にフィットしそうだ。

11.ベン・クドルナ(RHP)/Ben Kudrna:21歳
21年ドラフト2巡目。スロット額の倍近い契約金300万ドルで入団した。92-95マイルの速球にスライダー、チェンジアップのコンビネーション。23年は2度目のAを13先発/防御率3.56でクリアしたが、A+では8先発/防御率5.36と足踏み。奪三振率22.2%/与四球率9.6%はいずれも平均以下の水準であり、現時点ではガッシリ体型&昨季108イニング消化の耐久面を売りとしたローテーション4,5番手のイニングイーター向きか。
6フィート5の長身を生かしたクロスファイアーから平均93.1マイルの4シーム、平均以上のスライダー&チェンジアップのコンビネーションを繰り出すバランスの良い左腕。安定したコントロール&2年連続120イニング以上消化のスタミナからバックエンドSPになり得るポテンシャル。今季26歳と歳を食っているため、先発でダメならリリーフとして昇格を目指すことになるか。

22年ドラフト全体9位指名。大学屈指の強打者で、CFで「20-20」を狙えるポテンシャルと見られていたが、23年はA+での94試合で打率.206・三振率27.8%とコンタクト難に苦しめられてOPS.683と不本意なシーズンを送った。ヒットツールを改善して復活できるか。

14.トレバー・ワーナー(3B)/Trevor Werner:23歳
23年ドラフト7巡目。ヒットツールに懸念があるもプラスポテンシャルのパワーが強み。大学4年間で通算打率.251・三振率26.2%ながら、R/Aでは35試合で打率.352・9本塁打・OPS1.135と覚醒。上位10%の打球速度108マイルはMLBでもプラス水準。守備はプロでの23試合で8失策と捕球面に不安があるも、キャノンアームは3Bに適任。
22年ドラフト20巡目。進学の可能性が高いためスリップしたが、3-4巡目相当の契約金でプロ入りした。6フィート4の長身アスリートで、投手としても注目されていた。Aでは三振率24.7%・wRC+82とヒットツールが未熟であり、スイングや選球眼の向上が課題だろう。現時点ではロマン枠だが、エリー・デラクルーズ(CIN)やオニール・クルーズ(PIT)のような大器になれる可能性も。

16.カーソン・ロカフォート(OF)/Carson Roccaforte:22歳
23年ドラフト2巡目。プラスツールは持たないが、俊足巧打と広大なレンジを誇るCF守備が武器の4番手外野手タイプ。打撃はギャップヒッターであり、レギュラー選手になるにはパワーを伸ばしていく必要があるだろう。


FV40-

17.
スティーブン・ゾバック(RHP)/Steven Zobac:23歳
22年ドラフト4巡目。23年はリリーフとして開幕も、開幕から11回無失点23Kの好投を買われて先発転向。すると18先発で防御率3.95/FIP3.48と安定した投球を披露した。90マイル中盤で変化量大の4シームと80マイル中盤から後半に届くスライダーがプラスピッチ候補。与四球率6.4%とコントロールも安定している。チェンジアップの向上が先発残留の鍵。

18.エリック・セルトーラ(RHP)/Eric Cerantola:24歳
先発として大器晩成も狙えるハードボーラー候補。6フィート5の長身オーバースローからMAX99マイルの速球と80マイル台のパワーカーブのコンビネーション。昨季A+/2Aで76.1回を投げて防御率3.66・奪三振率29.6%をマークした一方で、フォームの再現性に苦しみ与四球率13.8%とコントロールの悪さが欠点。現実的にはリリーフで昇格を目指すことになりそうだ。

19.ノア・キャメロン(LHP)/Noah Cameron:24歳
速球とチェンジアップをコマンド良く投げ分けるイニングイータータイプ。昨季はA+での7先発で防御率3.60・6.44K/BBと好投したが、2Aでは17先発で防御率6.10と苦しんだ。後半の不調の要因として90マイル中盤出ていた球速が80マイル後半まで落ち込んだことが指摘されており、コンディション面を整えてブレイクできるか。

20.ジョン・マクミロン(RHP)/John McMillon:26歳
制球難を改善できればMLBでクローザーも狙えるポテンシャル。昨季はマイナーで50イニング以上投げた投手の中でトップとなる奪三振率45.3%(防御率2.10)とブレイク。96-100マイルの速球と80マイル後半のジャイロスライダーで空振りを量産した。与四球率12.4%は依然として悪い水準だが、フォームの再現性を高めることに成功したとの報告もあり。

2024年4月1日月曜日

2024 DETROIT TIGERS TOP 20 PROSPECTS

2024 DETROIT TIGERS

TOP 20 PROSPECTS

Jackson Jobe


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV55

1.ジャクソン・ジョーブ(RHP)/Jackson Jobe:21歳
21年ドラフト全体3位指名の高卒投手。スピンレート3000rpm超のスライダー、春季トレーニングでMAX101.8マイル/ホップ変化量平均以上を計測した4シーム、昨季大きく向上したシュート方向に15インチ以上フェードするチェンジアップ、どれも一級品だ。昨季はマイナーで計16先発して防御率2.81・奪三振率32.6%・与四球率2.3%と支配的なパフォーマンス。あとは64イニング(70球以上投げた試合無し)にとどまった耐久面を証明していきたい。
Jackson Jobe


23年ドラフト全体3位指名の高卒外野手。70評価のスピード&強肩を有する5ツールポテンシャルであり、ラインドライブを量産するプラスのヒットツールと合わせて、昨季新人王を獲得したコービン・キャロル(ARI)が完成型だろう。パワー向上が今後の課題。


FV50

3.コルト・キース(3B)/Colt Keith:22歳
20年ドラフト5巡目の高卒選手。マイナーで素晴らしい打撃成績を残し続け、マイナー屈指のヒッティングプロスペクトに成長。オフにはMLB未デビューにもかかわらず6年総額$28Mの契約延長を締結した。パワーとアベレージを両立しており、2AでwRC+163、3Aでも119、計27本塁打を放った。ガッシリ体型で最終的に1B/DHに回る可能性も。

22年ドラフト全体12位指名で、ジョシュ・ヤン(TEX)の弟。バットを捕手方向に大きく傾けた独特の構えからフライボールを量産し、A+/2Aで計28本塁打をマーク。wRC+もA+で136、2Aで154と圧倒的。三振率24.2%のコンタクト能力&平均以下の守備力から将来像はマックス・マンシー(LAD)のような「低打率だが本塁打を量産する攻撃型2B/3B」と見ている。
Jace Jung


5.タイ・マッデン(RHP)/Ty Madden:24歳
21年ドラフト全体32位指名。最速99マイルでホップ成分の強い4シームを高めに、切れ味鋭いハードスライダーを低めに投げ分けて空振りを稼ぐパワーピッチャー。昨季は2Aで25先発して防御率3.43・xFIP3.46・奪三振率29.7%と安定した投球内容だった。ここ2シーズンで240イニング消化と耐久面も証明しており、少なくともローテーション4番手クラスのフロアーを示している。
Ty Madden


6.トロイ・メルトン(RHP)/Troy Melton:23歳
22年ドラフト4巡目。シニア選手のため歳は食っているが、昨季A/A+で防御率2.74と好投。90マイル中盤の4シームをプラスのコマンド(与四球率6.4%)でスポットに投げ分け、スイーパー&チェンジアップも決め球として使える。奪三振率24.9%とエース級のポテンシャルではないが、コントロールの良さと6-4/210の恵まれた体格からイニングイーター適性あり。ランス・リン(LAD)のようになれれば理想的。


FV45

7.
ケビン・マゴニグル(SS)/Kevin McGonigle:19歳
23年ドラフト全体37位指名。コンタクト能力が高いヒットマシーンタイプ。現時点ではギャップヒッター止まりでシーリングは高くないが、R/AでOPS.863、BB>Kをマークするなどプロで早速結果を出した。守備力は肩の弱さから長期的には2B向きとの評価。

8.パーカー・メドウズ(OF)/Parker Meadows:24歳 
オースティン・メドウズ(DET)の弟。MLBで「15-15」相当のパワー&スピードとプラスのCF守備を兼ね備え、完成型はトレント・グリシャム(NYY)か。高打率が望めるタイプではないが、昨季3Aで平均以上となるゾーン内コンタクト率87%を記録するなどコンタクト能力は破綻していない。


FV40

アプローチの良い中距離バッター。辛抱強いアプローチでボール球にはめったに手を出さず、3AではwRC+130/四球率18%をマーク。23本塁打を放った一方でパワー面の評価は平均的で、コーナー選手としてはパワー不足が心配される。3B守備が不得意でLF/RFの出場が多い点も含めて攻守の比較対象はJ.D.デービス(OAK)か。
20年ドラフト2巡目。アスレチックな守備型捕手で、低打率ながら15本塁打程度の一発が望める点でも、昨季正捕手に定着し、2.2fWARを稼いだジェーク・ロジャースのような働きが期待できる。プロ入りから3年連続で盗塁阻止率30%超え&Baseball Prospectsの出すフレーミング指標プラスと守備力は申し分なく、バックアップ捕手には適任だろう。

ジャイアンツでプレーするウィルマー・フローレスの弟。MAX99マイルのシンカーと80マイル後半のカッターでゾーンを攻め、曲がりの大きいカーブで仕留める投球で、22年にA+/2Aで防御率2.79・5.65K/BBとブレイク。しかし昨季は速球が90マイル前半にとどまるなど不調で防御率4.65と投球成績も悪化した。しかし、春季トレーニングでは再び99マイルを連発するなど復活の兆しあり。

12.カイダー・モンテロ(RHP)/Keider Montero:23歳
昨季は22歳のシーズンながら最終的に3Aまで昇格を果たすなど飛躍の一年となった。94-96マイルのライジングファストと大きく曲がるスイーパーで空振りを量産し、カーブやチェンジアップ、カッターも多彩に扱う。69.1回を投げた2Aでは防御率4.93だったが、BABIP.373による不運もあったと考えられ、揺り戻しに期待がもてる。

22年に80万ドルで契約した攻撃型捕手。昨季は18歳ながらR/Aでの55試合で7本塁打/OPS.931をマーク。Aでの11試合という少サンプルながらMAX打球速度109.1マイルを計測するなどパワーポテンシャルを披露。三振率14.6%/四球率12.2%とアプローチ面も磨かれている。一方の守備面は6-4/200とすでに大柄で捕手に残れるかは疑問。

14.ハオユー・リン(2B)/Hao-Yu Lee:21歳
台湾出身。ヒットツールプラス、パワー平均以下の攻撃型二塁手。昨夏マイケル・ロレンゼンとの1対1トレードでPHIから移ってきた。20歳のシーズンながらA+でwRC+113とフロアーはまずまず。今年2Aで結果を出せればレギュラー候補の1人として評価を上げられるだろう。パワー&守備力を伸ばしていきたい。

マイナー4年で4.60K/BBをマークしているコントロールアーティスト。昨季はMLBデビューすると4先発で防御率2.70・奪三振率31.7%と予想外の好投を見せたが、長期的にはローテーション5番手クラスの活躍にとどまるとの評価。92-94マイルの速球、平均的なスライダー&チェンジアップのコンビネーション。

16.ポール・ウィルソン(LHP)/Paul Wilson:19歳
23年ドラフト3巡目の高卒左腕で、オーバースロットとなる契約金170万ドルで入団した。6-3/197の恵まれた体格から伸びしろを期待されており、昨春すでにMAX97マイルに到達。フォームの再現性を磨いてコントロールを改善することが当面の課題か。

昨季A+/2A/3Aで打率.343・19本塁打・OPS.942と大ブレイク。逆方向中心のアプローチで選球しつつ長短打を量産する。19本塁打中13本は逆方向に打っている。一方で昨季24歳と階級に対して高齢であったため、パフォーマンスを維持できるかは未知数。守備は外野両翼と1Bをこなす。

18.ブラント・ハーター(LHP)/Brant Hurter:25歳 
TJ手術により20年はドラフト漏れ、大学4年だった21年にドラフト7巡目でプロ入りした。92-94マイルのシンカーとスピンレート2500rpm超のスライダーのコンビネーション。年を食っているのでリリーフとして早期昇格を目指す可能性が高いが、バックエンドSPも狙えるポテンシャル。
昨夏に40人枠を整理する関係でLADから放出された。攻守に荒さが目立つが、マイナー6年でOPS.822、昨季も2A/3Aで19本塁打・OPS.789をマークしたパンチ力は魅力。特にDET加入後は3AでOPS.905/wRC+123とよく打った。守備はSS中心に起用されているが、ミスが多いため、内外野のユーティリティー向きだろう。


FV40-


20.カーソン・ルッカー(SS)/Carson Rucker:19歳
23年ドラフト4巡目の大型高卒内野手。ガッシリ体型でパワーポテンシャルを期待されており、足も速い。体格の成長次第でスピードは失われるだろうが、強打の三塁手への成長が期待されている。現時点では完全なる素材型であり、失敗に終わる可能性も高い。

2024年3月30日土曜日

2024 TOP 100 PROSPECTS

2024 TOP 100 PROSPECTS 




本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の詳細なスカウティングレポートは各球団のリストを参照いただきたい。

FV65

1.ジャクソン・ホリデイ(SS)/Jackson Holliday /BAL
22年ドラフト全体1位指名の高卒SS。元メジャーリーガーであるマット・ホリデイの息子で、走攻守揃った5ツールプレーヤー候補。
比較対象:ワンダー・フランコ(TB)

2.
ジャクソン・チョーリオ(OF)/Jackson Chourio /MIL
ズバ抜けたパワー&スピードの持ち主。昨季は19歳ながら2Aで22本塁打/43盗塁。特に7月以降は61試合でOPS.894/三振率13.5%とさらにワンランク成長。
比較対象:ロナルド・アクーニャ(ATL)

3.ジュニアー・カミネロ(3B)/Junior Caminero /TB
アプローチに荒さはあるが80グレイドのパワーが魅力。昨季は19歳ながらA+/2Aで31本塁打/OPS.976をマーク。守備はRF向きとの評価も。
比較対象:フェルナンド・タティスJr.(SD)

FV60

4.エバン・カーター(OF)/Evan Carter /TEX
ドラフト時は全くの無名ながら急成長。洗練された巧打とCFに残れる守備力を兼ね備える。昨季は2AでOPS.862、MLBでも23試合でOPS1.058と打ちまくった。
比較対象:ブランドン・ニモ(NYM)

5.ワイアット・ワングフォード(OF)/Wyatt Langford /TEX
23年ドラフト全体4位。大学屈指の強打者として入団すると、プロ入り後も44試合で打率.360・10本塁打・OPS1.157と勢い止まらず。
比較対象:クリス・ブライアント(COL)

6.ジェームズ・ウッド(OF)/James Wood /WSH
6-7/240の恵まれた体格の持ち主で、30ホーマー級のパワーポテンシャルを秘めている。走守も良いが、ジャッジ同様に将来的な適性は両翼か。
比較対象:アーロン・ジャッジ(NYY)

7.
ディラン・クルーズ(OF)/Dylan Crews /WSH
23年ドラフト全体2位。大学1年時から活躍した強打者であり、適応できればCFで「3割25本」の常連になれる。高めの速球への対応に問題あり。
比較対象:アンソニー・レンドン(LAA)

8.イーサン・サラス(C)/Ethan Salas /SD
攻守を両立したエリート捕手への成長が期待される。23年は17歳のシーズンながらいきなりAでOPS.837。異例となる2Aまで昇格を果たした。
比較対象:アドリー・ラッチマン(BAL)

9.
ジョーダン・ローラー(SS)/Jordan Lawlar /ARI
21年ドラフト全体6位指名。MLBで中軸を担える打撃能力と平均以上のSS守備を兼ね備える。6月以降は2A/3AでOPS.970/三振率16.8%と完全に適応。
比較対象:ザンダー・ボガーツ(SD)

10.
ポール・スキーンズ(RHP)/Paul Skenes /PIT
23年ドラフト全体1位指名。最速102マイルの速球とスライダーのコンボで打者を制圧する。球界を代表するエースへの成長が期待される。
比較対象:ジェーコブ・デグロム(TEX)

11.
サミュエル・バサヨ(C/1B)/Samuel Basallo /BAL
10代離れしたパワーを秘めた攻撃型捕手。18歳にしてA/A+/2Aで打率.313・20本塁打・OPS.953と圧倒的な打撃内容。守備は1B転向の可能性も。
比較対象:ブラディミール・ゲレーロJr.(TOR)

12.アンドリュー・ぺインター(RHP)/Andrew Painter /PHI
22年には「ベースボールアメリカ」のマイナー最優秀投手に選出されるなどブレイク。エースポテンシャルも、TJ手術等で丸2年シーズン全休予定。
比較対象:ジャスティン・バーランダー(HOU)

13.ジャクソン・メリル(SS)/Jackson Merrill /SD
FanGraphsが「遊撃版マイケル・ブラントリー」と形容する攻撃型SS。スムーズなスイングで左右にハードコンタクトを量産する。
比較対象:コリー・シーガー(TEX)

14.
コルソン・モンゴメリー(SS)/Colson Montgomery /CWS
パワーとアベレージを両立した攻撃型SSで、大柄な体格と合わせてコリー・シーガーと比べられる。高校では野球、バスケ、アメフトの三刀流。
比較対象:コリー・シーガー(TEX)

15.ウォーカー・ジェンキンス(OF)/Walker Jenkins /MIN
23年ドラフト全体5位指名。高校生No.1スラッガーと評判で、30ホーマー級のポテンシャルでヒットツールもプラス評価。
比較対象:ジャレッド・ケルニック(ATL)


FV55

16.ジェイソン・ドミンゲス(OF)/Jasson Domínguez /NYY
「20-20」級のパワー&スピードを兼ね備える怪童。前半戦は苦しんだが、7月以降は2A/3AでOPS.921、20歳ながら2Aでの109試合でwRC+118で健闘。
比較対象:ランディ・アロザレナ(TB)

17.ジャクソン・ジョーブ(RHP)/Jackson Jobe /DET
21年ドラフト全体3位指名の高卒右腕。スピンレート3000rpm超えのスライダーがベストピッチ。昨季はマイナー4階級で防御率2.81・14.00K/BBと好投。
比較対象:ザック・ウィーラー(PHI)

18.マルセロ・メイヤー(SS)/Marcelo Mayer /BOS
21年ドラフト全体4位指名。コリー・シーガーの打撃力&ブランドン・クロフォードの守備力と評される5ツール候補も、昨季は肩の故障で調子を崩した。
比較対象:コリー・シーガー(TEX)

19.ロマン・アンソニー(OF)/Roman Anthony /BOS
高卒1年目にしてA/A+/2Aで打率.272・14本塁打・OPS.869とブレイク。プラスのパワー&CFにとどまれる守備力を兼ね備える。
比較対象:ライリー・グリーン(DET)

20.マックス・クラーク(OF)/Max Clark /DET
23年ドラフト全体3位指名の高卒選手。ドラフト時のコービン・キャロルと比較される5ツールアスリート。
比較対象:コービン・キャロル(ARI)

21.
リッキー・ティエディマン(LHP)/Ricky Tiedemann /TOR
球威、変化球、制球、体格と先発投手に必要な資質を全て揃えたエース左腕候補。あとは耐久面を証明できるか。
比較対象:フリオ・ウリアス(元LAD)

22.
コービー・メイヨ(3B)/Coby Mayo /BAL
昨季2A/3Aで29本塁打/OPS.974をマークしたパワーヒッター候補。三振率24.1%とコンタクト能力に課題を残すが、四球率やゾーン内コンタクト率は大きく改善されている。
比較対象:オースティン・ライリー(ATL)

23.
ロビー・スネリング(LHP)/Robby Snelling /SD
球威と完成度を兼ね備えた大型左腕。昨季は高卒1年目にもかかわらず、マイナーで100イニング以上投げた投手の中で1位となる防御率1.82とブレイク。
比較対象:マッケンジー・ゴア(WSH)

24.ピート・クロウ=アームストロング(OF)/Pete Crow-Armstrong /CHC
自慢の外野守備は『ベースボールアメリカ』の20-80評価で80を獲得。課題とされてきた打撃も2A/3Aで20本塁打/OPS.876と成長している。
比較対象:ケビン・キアマイアー(TOR)

25.
ケイド・ホートン(RHP)/Cade Horton /CHC
94-98マイルの速球とプラスのスライダーで打者を制圧する。昨季はTJ手術から復帰するとA/A+/2Aで防御率2.65・11.9K/9と圧倒的な投球を見せた。
比較対象:ウォーカー・ビューラー(LAD)

26.
カーソン・ウィリアムズ(SS)/Carson Williams /TB
三振の多さは心配だが、20本塁打以上が見込めるパワーとゴールドグラブ級のSS守備が魅力のダイナミックな選手。
比較対象:ウィリー・アダメス(MIL)

27.
チェイス・デローター(OF)/Chase DeLauter /CLE
6-4/235と体格に恵まれたパワーヒッターで、守備も強肩を武器にCF/RF適性あり。故障で57試合の出場にとどまったが、R/A+/2AでOPS.945をマーク。
比較対象:カイル・タッカー(HOU)

28.
アダエル・アマダー(SS)/Adael Amador /COL
卓越したコンタクト能力を有し、ヒットツールは20-80スケールで70評価を受ける。R/A+/2AでOPS.875、BB>Kと好パフォーマンス。
比較対象:ジェフ・マクニール(NYM)

29.カイル・ハリソン(LHP)/Kyle Harrison /SF
マイナー3年でK/9=14.6を記録しているパワーレフティ。昨季はMLBデビューも経験。通算BB/9=4.8のコントロールを改善できるか。
比較対象:カルロス・ロドン(NYY)

30.
ジェット・ウィリアムズ(SS)/Jett Williams /NYM
身長5フィート8と小柄ながらコンタクト&走力がプラス候補のリードオフポテンシャル。高卒1年目ながらA/A+/2AでOPS.876/45盗塁をマーク。
比較対象:ムーキー・ベッツ(LAD)


31.
コール・ヤング(SS)/Cole Young /SEA
22年ドラフト1巡目の高卒内野手。洗練された打撃能力が魅力で、打者としての完成像はダニエル・マーフィーと比較されている。
比較対象:J.P.クロフォード(SEA)

32.AJ スミス=シャウバー(RHP)/AJ Smith-Shawver /ATL
現段階では粗削りだが、速球とスライダーで打者を制圧する投球スタイルは現エースのスペンサー・ストライダーと重なるものがある。
比較対象:スペンサー・ストライダー(ATL)


FV50

33.ノエルビ・マーテイ(3B)/Noelvi Marte /CIN
パワーと走力を兼ね備えた大型内野手。昨季2A/3AでOPS.820、MLBでも35試合でOPS.822と活躍したが、禁止薬物の使用により今季前半戦は出場停止処分。
比較対象:エウヘニオ・スアレス(ARI)

34.コルト・キース(3B)/Colt Keith /DET
昨季2A/3Aで打率.306・27本塁打・OPS.932をマークした打撃能力は疑う声なし。一方で将来的な守備位置は不透明で、1B/DHに回る可能性も。
比較対象:マイク・ムスタカス(元KC他)

35.ジェファーソン・クエロ(C)/Jeferson Quero /MIL
ゴールドグラブ級の捕手守備と20-25ホーマー級の打撃能力を兼ね備える。フリースインガーなアプローチを改善していきたい。
比較対象:ホルヘ・アルファロ(元PHI他)

36.
ハリー・フォード(C)/Harry Ford /SEA
捕手離れしたアスリート性を備える万能捕手。「20-20」級のパワー&スピードを兼ね備え、四球率18.3%/出塁率.410とアプローチも磨かれている。
比較対象:ドールトン・バーショー(TOR)

37.コルト・エマーソン(SS)/Colt Emerson /SEA
23年ドラ1。ヒットツールが高評価の攻撃型SS。ドラフト時17歳という若さながら、プロではOPS1.045/打球速度MLB平均以上と圧巻のデビュー。
比較対象:ジャクソン・メリル(SD)

38.オーウェン・ケイシー(OF)/Owen Caissie /CHC
昨季20歳ながら2Aで22本塁打/wRC+144と素晴らしいパフォーマンスを見せたパワーヒッター候補。三振率31.1%とコンタクト能力の改善が課題。
比較対象:ジョーイ・ギャロ(WSH)

39.
エマニュエル・ロドリゲス(OF)/Emmanuel Rodriguez /MIN
三振の多さは要改善だが、20歳にして上位10%の打球速度107マイル/MAX117マイルというMLBトップクラスの数値を記録したパワーモンスター。
比較対象:アドリス・ガルシア(TEX)

40.ブレイディ・ハウス(3B)/Brady House /WSH
プラスのパワーと強肩に支えられた平均以上の3B守備のパッケージ。フリースインガー気味なアプローチの修正が求められる。
比較対象:マット・チャップマン(SF)

41.
メイソン・ミラー(RHP)/Mason Miller /OAK
常時90マイル後半から100マイルを計測する豪腕。ボールの威力はMLBでもトップクラスだが、故障体質が唯一にして最大の欠点。
比較対象:ハンター・ハービー(WSH)

42.コルトン・カウザー(OF)/Colton Cowser /BAL
プラスのヒットツール&CFとしては平均レベルの守備力から、選手としての将来像をブランドン・ニモと比較されている。
比較対象:ブランドン・ニモ(NYM)

43.メイソン・ウィン(SS)/Masyn Winn /STL
遊撃から100マイルを計測する爆肩が最大の魅力。MLBで遊撃守備プラスを出しながらOPS.750程度が狙え、WAR3.5程度の貢献が期待できるとの見立て。
比較対象:J.P.クロフォード(SEA)

44.
ジェーコブ・ミジオロウスキー(RHP)/Jacob Misiorowski /MIL
6-7/190の長身細身からMAX102マイルのライジングファスト&高スピンのスライダーを投げ込むポテンシャルの塊。しかし5.3BB/9という制球難が致命的。
比較対象:マイケル・コペック(CWS)

45.ノア・シュルツ(LHP)/Noah Schultz /CWS
6フィート9の長身、サイド気味のアームアングル、MAX98マイルの球威はランディ・ジョンソンと重なるものがある。
比較対象:クリス・セール(ATL)

46.ジャレッド・ジョーンズ(RHP)/Jared Jones /PIT
速球、変化球ともにハイレベルで、コントロールを改善できればローテーション3番手相当のポテンシャル。速球のトラッキングデータはJ.デグロム(NYM)に近い。
比較対象:ジャック・フラハティ(DET)

47.ディラン・レスコ(RHP)/Dylan Lesko /SD
22年ドラフト全体15位の高卒右腕。TJからの復帰年でコマンドは安定しなかったが、今季の飛躍に期待。持っている球種はどれも一級品。
比較対象:ディラン・バンディ(元BAL他)

48.ブルックス・リー(SS)/Brooks Lee /MIN
22年ドラフト全体8位指名。卓越したコンタクト能力を有するスイッチヒッターで、フルシーズン1年目にして3Aまで到達。ガッシリ体型でコンバートが既定路線か。
比較対象:ヨアン・モンカダ(CWS)

49.
ゼビアー・アイザック(1B)/Xavier Isaac /TB
6-4/240の強靭なフィジカルから凄まじい打球を繰り出し、潜在的なパワーポテンシャルは20-80スケールで80評価。23年は高卒1年目にしてA/A+で19本塁打/OPS.916。
比較対象:マット・オルソン(ATL)

50.
ジョーイ・オルティズ(SS)/Joey Ortiz /MIL
プラスのSSディフェンダーで、課題の打撃もMLBでブレイクできるポテンシャルあり。3Aで打率.321の巧打に加え、上位10%の打球速度105マイルはMLB平均以上。
比較対象:オーランド・アルシア(ATL)

51.
カイル・ティール(C)/Kyle Teel /BOS
23年ドラフト全体14位指名。攻守を両立したオールラウンド捕手で、捕手ながら平均レベルのスピードを有するアスレチックさを備える。
比較対象:J.T.リアルミュート(PHI)

52.ヘストン・カースタッド(OF)/Heston Kjerstad /BAL
20年ドラフト全体2位指名。故障がちだったが、昨季は2A/3Aで自己最多の122試合に出場して打率.303・21本塁打・OPS.904と本領発揮。パワーが武器の左打者。
比較対象:ジョック・ピーダーソン(元SF他)

53.
ブライアン・ロキオ(SS)/Brayan Rocchio /CLE
本塁打を量産するようなパワーは無いが、ゴールドグラブ級の守備&コンタクト能力の高さが強み。ニックネームは「プロフェッサー」。
比較対象:アンドレス・ヒメネス(CLE)

54.
ノーブル・メイヤー(RHP)/Noble Meyer /MIA
23年ドラフト組ではNo.1評価を得ていた高卒投手。長身細身の体格から90マイル中盤の速球&高スピンのカーブ。エース級のアップサイドを秘める。
比較対象:ホセ・フェルナンデス(元MIA)

55.マット・ショウ(SS)/Matt Shaw /CHC
23年ドラフト全体13位指名。小柄ながら広角にバレル性の打球を量産する打撃力が自慢。大学通算53本塁打はメリーランド大の学校記録。
比較対象:アレックス・ブレグマン(HOU)

56.
ギャビン・ストーン(RHP)/Gavin Stone /LAD
22年にマイナーで防御率1.48とブレイクも、昨季は不調だった。決め球チェンジアップがダブルプラスの魔球。今季はSTで好投し、開幕ローテ入り。
比較対象:ケビン・ゴーズマン(TOR)

57.カーティス・ミード(3B)/Curtis Mead /TB
マイナー屈指のピュアヒッター。パワーとアベレージを両立した完成度の高い打者。一方で守備面が不透明で、一塁転向のリスクも。
比較対象:ヤンディ・ディアズ(TB)

58.レット・ラウダー(RHP)/Rhett Lowder /CIN
23年ドラフト全体7位指名。エースポテンシャルではないが、完成度の高さを評価されており、早期昇格が期待されている。
比較対象:アーロン・ノラ(PHI)

59.
ティンク・ヘンス(RHP)/Tink Hence /STL
アスレチック。低リリースから放たれるライジングファストボールが最大の武器。昨季はA+では好投したが、2Aの壁に苦しんだ。
比較対象:マーカス・ストローマン(NYY)

60.マルコ・ルシアーノ(SS)/Marco Luciano /SF
40ホーマーも狙える凄まじいポテンシャルを秘めるが、故障続きで今一つブレークしきれない。上位10%の打球速度109マイルはMLBでもトップクラス。
比較対象:フェルナンド・タティスJr(SD)

61.
マイケル・ブッシュ(3B)/Michael Busch /CHC
昨季3Aで27本塁打/OPS1.049をマークしリーグのMVPを獲得。辛抱強いアプローチと長打力を兼ね備える打撃能力は文句無し。一方で守備面は1B/DHに回る可能性も。
比較対象:ダニエル・マーフィー(元WSH他)

62.ロデリック・アリアス(SS)/Roderick Arias /NYY
22年に契約金400万ドルで入団した5ツールSS候補。昨季はRでの27試合で6本塁打/OPS.928と躍動。今季19歳、大ブレイクに期待したい。
比較対象:エリー・デラクルーズ(CIN)

63.
ブライス・エルドリッジ(OF)/Bryce Eldridge /SF
23年ドラ1。6-7/223の規格外の体格を有するパワーヒッター候補。R/AでOPS.905とアプローチ面も磨かれている。足が遅く1B転向のリスクも。
比較対象:マット・オルソン(ATL)

64.
オレルビス・マルティネス(3B)/Orelvis Martinez /TOR
30ホーマー級のパワー&強肩を生かした3B守備のパッケージ。2Aでのラスト50試合は四球率16.1%/三振率19.9%、OPS.968と課題のアプローチ面も成長。
比較対象:マット・チャップマン(SF)

65.
ババ・チャンドラー(RHP)/Bubba Chandler /PIT
荒削りだがポテンシャルは間違いなし。高校では投打の二刀流に加えてアメフトでも活躍。6月以降は課題の制球難も克服傾向だった。
比較対象:ハンター・グリーン(CIN)

66.セダーン・ラファエラ(OF/SS)/Ceddanne Rafaela /BOS
CFとしてGG級なだけでなく、SSもハイレベルでこなすスーパーユーティリティー。昨季2A/3AでOPS.870も、超フリースインガーでMLBでも打てるかは未知数。
比較対象:ホゼ・シリ(TB)

67.ケード・カバリ(RHP)/Cade Cavalli /WSH
コントロールに課題があるが、マイナートップクラスのパワーピッチャー。今季中盤にTJ手術から復帰予定。
比較対象:ルーカス・ジオリト(BOS)

68.ハーストン・ウォルドレップ(RHP)/Hurston Waldrep /ATL
ダイナミックなフォームからMAX99マイルの4シームとプラスのスプリットチェンジで打者を圧倒するKマシーン。制球難を克服できるか。
比較対象:ロバート・スティーブンソン(LAA)

69.
ミック・アイブル(RHP)/Mick Abel /PHI
速球や変化球の球質、体格はローテーション上位クラス。マイナー3年でBB/9=4.8のコントロールを改善できるかが先発に残れるかを左右するだろう。
比較対象:ルーカス・ジオリト(BOS)

70.
タマー・ジョンソン(SS/2B)/Termarr Johnson /PIT
22年ドラフト全体4位指名の高卒選手。身長5フィート7と小柄ながら、傑出した打撃能力の持ち主。守備は将来的には2Bが適任とも。
比較対象:ブランドン・ラウ(TB)

71.
タイラー・ブラック(3B)/Tyler Black /MIL
アプローチの良いプラスヒッター。昨季2A/3AでOPS.930とブレイクを飾った。55盗塁を決めるなど足でも貢献できる。パワーが伸びれば面白い。
比較対象:クリスチャン・イエリッチ(MIL)

72.
ラザロ・モンテス(OF)/Lazaro Montes /SEA
80スケールのパワーモンスター。コンタクト能力を心配されていたが、三振率を25.1%に抑え、OPS1.001と打ちまくった。将来はDH専念が既定路線。
比較対象:ヨーダン・アルバレス(HOU)

73.マックス・マイヤー(RHP)/Max Meyer /MIA
今季はTJ手術からカムバックして開幕ローテーション入り。小柄ながら速球とスライダーのパワフルなコンビネーションが魅力。
比較対象:ソニー・グレイ(STL)

74.
ジェーコブ・ウィルソン(SS)/Jacob Wilson /OAK
23年ドラフト全体6位指名のカレッジSS。パワーレスだが攻守に完成度が高く、中でも高打率を見込めるヒットツールが最大の強み。
比較対象:ケビン・ニューマン(元PIT他)

75.
ブライアン・ラモス(3B)/Bryan Ramos /CWS
上位10%の打球速度106マイルはプラス水準であり、昨季2AでOPS.826/四球率11.1%とヒットツールも成長中。3B守備も軽快で守備貢献が期待できる。
比較対象:マイケル・フランコ(PHI)

76.
セバスチャン・ウォルコット(SS)/Sebastian Walcott /TEX
プロ初年度、17歳のシーズンにしてMLB平均を上回る打球速度112マイルを計測した怪物で、一気にA+まで昇格した。三振率29.8%とコンタクトに問題あり。
比較対象:オニール・クルーズ(PIT)

77.スペンサー・ジョーンズ(OF)/Spencer Jones /NYY
6-7/225の大型選手で、第2のアーロン・ジャッジとして期待。30ホーマー級のパワーを秘めるが、低弾道&三振の多さの改善が課題。
比較対象:アーロン・ジャッジ(NYY)

78.テコア・ロビー(RHP)/Tekoah Roby /STL
J.モンゴメリーの交換相手の1人。平均以上の4球種+プラスのコントロールからローテーション3番手相当の評価を得ている。
比較対象:トリスタン・マッケンジー(CLE)

79.
チェイス・ハンプソン(RHP)/Chase Hampton  /NYY
22年ドラ6。アーリーエントリーで1年早くドラフトされるとプロ1年目にして2A到達。速球&スライダーのコンボを武器にA+でK/9=14.7。
比較対象:クラーク・シュミット(NYY)

80.ヨエンドリー・バルガス(SS)/Joendry Vargas /LAD
パワー、スピード、守備力すべてを兼ね備えた大型SS候補。昨季はDSLでの48試合でOPS.952/7本塁打と鮮烈デビュー。
比較対象:フェルナンド・タティスJr.(SD)

81.ダルトン・ラッシング(C)/Dalton Rushing /LAD
30ホーマー級のパワーと優秀な選球眼を有し、A+では89試合で15本塁打・四球率18.9%・wRC+146をマーク。捕手守備は平均以下の評価。
比較対象:ミッチ・ガーバー(SEA)

82.
ジェイス・ヤン(2B)/Jace Jung /DET
フライボール特化のアプローチで昨季A+/2Aで28ホーマーを放った攻撃型二塁手。コンタクト能力と守備力が弱点。
比較対象:マックス・マンシー(LAD)

83.ヨシュア・デパウラ(OF)/Josue De Paula /LAD
パワーと打撃技術を兼ね備えた強打者への成長が期待される原石。昨季は18歳にしてRを飛び級していきなりAでプレー。wRC+118と健闘した。
比較対象:ヨーダン・アルバレス(HOU)

84.
レイナー・アリアス(OF)/Rayner Arias /SF
10代にしてパワー、アプローチ、コンタクト能力を兼ね備えたピュアヒッター候補。DSLでは16試合という限られたサンプルながらOPS1.333をマーク。
比較対象:マーセル・オズーナ(ATL)

85.
ミゲル・ブレイス(OF)/Miguel Bleis /BOS
5ツールポテンシャル。昨季は故障により30試合の出場にとどまった。荒削りな面が目立ち、ヒットツールを証明したい。
比較対象:バイロン・バクストン(MIN)

86.
チェイス・ドーランダー(RHP)/Chase Dollander /COL
23年ドラフト全体9位指名。全体1位候補でもあったが、ドラフトイヤーに不調で評価を落とした。プロで復活できるか。
比較対象:ジョン・グレイ(TEX)

87.
エドガー・クエロ(C)/Edgar Quero /CWS
卓越したコンタクト力を有する攻撃型スイッチヒッター捕手。昨季は20歳のシーズンにして2AでwRC+105と健闘し、成功ルートに乗った。
比較対象:キーバート・ルイーズ(WSH)

88.
ルイサンジェル・アクーニャ(SS/2B)/Luisangel Acuna /NYM
ロナルド・アクーニャ(ATL)の弟で、兄譲りのパワー&スピードが武器。一方で打撃ではゴロ打球の多さ、守備では2B向きの肩力が懸念事項。
比較対象:ティム・アンダーソン(MIA)

89.ドリュー・ギルバート(OF)/Drew Gilbert /NYM
走攻守揃ったオールラウンダーであり、レギュラーCFポテンシャル。打撃ではアプローチが良く、出塁率の高さが強みだが、小柄でパワー面には疑問。
比較対象:アンドリュー・ベニンテンディ(CWS)

90.クリスチャン・スコット(RHP)/Christian Scott /NYM
昨季マイナーで80イニング以上投げた投手の中では4位の与四球率3.6%、1位の28.4K-BB%をマークするなどブレイク。コマンドが優秀。
比較対象:ローガン・ウェッブ(SF)

91.
ドリュー・ジョーンズ(OF)/Druw Jones /ARI
22年ドラフト全体2位指名の高卒外野手。ATLの元スター選手であるアンドリュー・ジョーンズの息子で、父と同じような5ツールプレーヤー候補。
比較対象:アンドリュー・ジョーンズ(元ATL他)

92.アージャン・ニムラ(SS/Arjun Nimmala /TOR
23年ドラフト1巡目の大型高卒SS。マーカス・セミエンのような強打のSSへの成長に期待したい。細身の体型からパワー増にも期待。
比較対象:マーカス・セミエン(TEX)

93.
D.L. ホール(LHP)/D.L. Hall /MIL
マイナー6年でBB/9=5.2とコントロールは悪いが、軽々と100マイルを叩き出すなどボール単体の威力は圧倒的。先発として大成できるかが争点。
比較対象:A.J.パク(MIA)

94.ダレル・ヘルナイス(SS)/Darell Hernaiz /OAK
昨季21歳にして2A/3Aで打率.321/OPS.841とブレイク。守備はMLB基準で見ると2Bや3Bの方が適しているとの見立て。
比較対象:タイロ・エストラーダ(SF)

95.タイ・マッデン(RHP)/Ty Madden /DET
90マイル中盤のライジングファストとキレの良いスライダーで奪三振を量産する。ここ2年で240イニング消化と耐久面も証明済み。
比較対象:ブランドン・ウッドラフ(MIL)

96.
コナー・フィリップス(RHP)/Connor Phillips /CIN
95-97マイルの伸びのあるランニングファストとスイーパー系のスラーブのコンボ。コントロールが不安定でリリーフに回る可能性あり。
比較対象:アレックス・レイエス(LAD)

97.
ケビン・アルカンタラ(OF)/Kevin Alcantara /CHC
6フィート6の恵まれたフィジカルに傑出した運動能力も兼ね備えた5ツール候補。軽々と広角に長打を生み出すプラスのパワーが強み。
比較対象:ジョージ・スプリンガー(TOR)

98.サミュエル・ザバラ(OF)/Samuel Zavala /CWS
5ツールに加えて選球眼も優秀なオールラウンドCF。18歳にしてAで101試合/wRC+140と好成績を残した。三振率26.4%と空振りの多さが懸念点。
比較対象:テイラー・トランメル(SEA)

99.
マルコ・ライヤ(RHP)/Marco Raya /MIN
速球、カーブ、スライダーの3球種がプラスピッチ候補とポテンシャルは非凡。昨季22先発で55球以上投げた試合は無く、スタミナ面が不透明。
比較対象:ホセ・べリオス(TOR)

100.
ライアン・クリフォード(1B/OF)/Ryan Clifford /NYM
打撃能力が高く、高卒1年目にしてA/A+で24本塁打/OPS.854をマーク。しかし夏のトレードでNYM加入後は32試合で打率.188と苦しんだ。
比較対象:アレックス・キリロフ(MIN)

2024年3月20日水曜日

2024 CLEVELAND GUARDIANS TOP 20 PROSPECTS

2023 CLEVELAND GURADIANS

TOP 20 PROSPECTS

Brayan Rocchio

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。


FV55

1.チェース・デローター(OF)/Chase DeLauter:22歳
22年ドラフト1巡目の大学生で、選手としての将来像はカイル・タッカー(HOU)。6-4/235の恵まれた体格からプラスのパワーと優れたゾーンコントロールを兼ね備え、走守の評価も平均以上。23年は故障で57試合の出場にとどまったが、A+での42試合でwRC+164とよく打ち、2Aまで到達。スイングは荒いが、コンタクト率&チェイス率は平均以上をキープ。ゴルフ風のアッパースイングで上位レベルの投手にも速球に対応できるか、大学時代から故障続きで健康に1年間プレーできるか。フルシーズンでの結果を見てから判断したい。



FV50
2.ブライアン・ロキオ(SS)/Brayan Rocchio:23歳
フィジカル面は傑出していないが、「プロフェッサー」のニックネームの持ち主で野球IQの高さが光る。小柄で平均打球速度86.5マイルとパワーは平均以下だが、両打席からスムーズなスイングで長短打を量産するコンタクト能力が持ち味。20歳のシーズンに2AでwRC+135と成功ルートに乗り、昨季も3AでwRC+101と結果を残し続けている。平均以上の走力と高い野球IQに支えられたSS守備はゴールドグラブポテンシャルと評判。攻守に完成度が高く、SSのレギュラーとして計算ができる点を評価したい。

3.カイル・マンザルド(1B)/Kyle Manzardo:23歳
成熟したアプローチで広角に長打を量産するピュアヒッター。平均的と評されたパワーも上位10%の打球速度を前年の102.6マイルから104.5マイル(MLB平均は103マイル)に伸ばすなど平均以上の水準に成長。R/3Aで打率.237と低打率に悩まされたが、低BABIPによる不運もあったと考えられ、先に述べた打球速度の上昇、さらにコンタクト率&ボール球スイング率の優秀さから今季は揺り戻しが期待できるのではないかと見ている。

小柄ながら抜群の運動能力で平均96/MAX100マイルを計測する豪腕。変化球はスライダー&カーブを主に扱い、90マイル前半に届くスライダーはプラスピッチ候補。エース級の資質の持ち主だが、昨季を肩の手術で全休、プロ5年で通算133.2回、100イニング以上投げたシーズンは無しと耐久面の弱さが深刻だ。
Daniel Espino


FV45

小柄ながらコンタクト&アプローチに優れたスイッチヒッター。23年はフルシーズン2年目ながら2AをwRC+125、リーグ3位のOPS.817でクリアし、一気に3Aまで登りつめた。上位10%の打球速度102マイルは平均以下で、また体格的に大幅なパワー増も期待できないため、今のゴロ打球の少なさ(35.2GB%)&引っ張り打球の多さ(53.3%)でどれだけカバーできるか。守備はSSよりも2B/3B向きとの評価。

トッププロスペクトであるジャクソン・チョーリオ(MIL)の弟。プロ通算88試合で2本塁打と現時点ではパワーレスだが、パワー以外の4ツールがプラス候補のオールラウンドCF。特にコンタクト&アプローチが成熟しており、昨季はRでの39試合で打率.349・三振率を上回る四球率20.1%をマーク。19歳のシーズンにしてAで開幕予定であり、もし一気にA+や2Aまで駆け上がるとなるとオフにはトップ100プロスペクト入りするだろう。15本塁打程度までパワーが伸びれば面白い。

元MLB捕手サンディ・マルティネスの息子。ツールは平均的だが、野球IQの高さと成熟度で同年代の選手をリードしている。22年には20歳のシーズンにして2Aで24試合という小サンプルながらwRC+120と成功ルートに乗り(20歳で2Aに定着できれば大方MLB選手になれる)、23年も2A/3AでOPS.715とまずまずの結果を残した。長打を量産するタイプではないため、平均以上のレギュラーになれるかは微妙だが、少なくとも内野のバックアップとしてMLBでやっていけるだけのフロアーはすでに示している。

23年に契約金137.5万ドルで入団したトップアマチュア。ヒットツールに秀でたスイッチヒッターSSで、DSLではOPS.919・wRC+144と順調なデビュー。5-8/148と小柄な体格でどれだけパワーを伸ばせるか。守備ではSSに必要なハンドリング、守備範囲を有するが、MLBでは2B向きと見なす評価も。

9.ジョージ・バレラ(OF)/George Valera:23歳
30ホーマー級のパワーとマイナー通算四球率15.2%の選球眼を兼ね備えた両翼タイプのスラッガー。21年に20歳のシーズンにして2Aに到達するなど若くして注目されたが、ここ2年はコンタクト面に苦しんで浮上し切れていない。昨季3Aで四球率16%と選べてはいるが、三振率27%・ゾーン内コンタクト率76%(MLB平均約85%)ではMLBでも低打率に悩まされそうだ。

10.ラルフィー・バスケス(C/1B)/Ralphy Velazquez:19歳
23年ドラフト1巡目の攻撃型高卒捕手。力感の無いコンパクトなスイングながら強打を連発し、Rでは6試合で2本塁打と早速結果を出した。また打席での辛抱強さも備えており、選球眼も良い。一方で捕手としての守備力は磨かれる必要があり、鈍足のため1B/DHに移るリスクもある。

23年ドラフト2巡目の大型高卒左腕。名門バンダービルト大への進学が内定していたが、オーバースロットとなる契約金230万ドルでプロ入りを決めた。6フィート6の長身を生かしたエクステンション大のフォームからMAX99マイルで高スピンの速球を投げ込む。先発2番手相当のポテンシャルだが、コントロールに不安があり、リリーフ転向のリスクも。

同名の父は元球宴SSというサラブレッド。スムーズなスイングでバレル性のコンタクトを量産する左打者。23年は17歳にして米国デビューし、Rでの41試合でwRC+133をマークした。体格が成熟すれば15HR程度も可能か。二世選手で野球IQも高く、守備力も悪くないが、ゴールドグラブ級というわけでもなく、将来肥大化すれば2Bや3Bの方がフィットするか。


FV40

タイミングの取りにくいフォームからプラスのチェンジアップで打者を欺く。3Aではチェンジアップは空振り率49.7%と効果的だった。パワーレスがネックだった速球も平均93マイルに達するまでパワーアップ。マイナー通算与四球率10.9%のコントロールを改善できればローテーション4番手クラスの先発になれる。

22年ドラフト8巡目指名。3巡目相当となる契約金でスティールに成功した高卒左腕。全体的に未完成ではあるが、92-95マイルの速球&縦に大きく割れるカーブはMLBレベルのボールであり、コントロールやスタミナ、チェンジアップの質などを磨いていければローテーション4番手クラスの投手に成長できるポテンシャルを秘める。
傘下に何人いるのか分からない「両打ちコンタクト系内野手プロスペクト」の1人。23年は膝の故障で出遅れたが19歳にしてAでwRC+110をマーク。今季の出来次第では「20歳で2A定着」という成功ルートに乗る可能性がある。昨季72試合で4本塁打、50GB%、逆方向への打球42%という典型的なスプレーヒッターであり、レギュラークラスになるには長打の供給を増やしていくことが課題だろう。

ルール5ドラフトで今オフにARIから指名。昨季20歳にして2Aで1年間を過ごして20本塁打(wRC+88)をマークしたパワーヒッター。上位10%の打球速度107マイル/MAX打球速度114マイルはいずれも20-80スケールで65相当だ。一方で四球率5.2%と超フリースインガーでMLB投手に対応できるかは疑問。守備も1B/DHになる可能性があり、ミゲル・サノーやフランミル・レイエスが比較対象と見ている。

17.ホゼ・テーナ(SS)/Jose Tena:23歳
MLBで16シーズンプレーしたフアン・ウリベの甥。ハンドアイコーディネーションに優れたコンタクトヒッターで、23年は2AでwRC+103、3Aでも15試合ながら157をマーク。しかし、パワーヒッターでもないのにフリースインガーのため2A/3Aで三振率28.3%、MLBでも34試合で三振率38.2%は黄色信号。走守は平均以上で、SS中心に2B/3Bをプレー可能。不動のレギュラーというよりもユーティリティ向きだろう。

18.ピーティ・ハルピン(OF)/Petey Halpin:22歳
傑出したツールは無いが、走攻守に完成度の高いオールラウンドCF。打撃はパワーに欠けるが、コンタクト&ゾーン管理に長けるリードオフタイプ。2AでwRC+は88止まりも、開幕時点で20歳だったことを考慮すれば健闘した方だろう。また守備ではBaseball  Prospectusの出す守備範囲指標RDAで+6.6、10補殺を記録した送球貢献も含めたDRPでは+13.3を記録。プロ入りから3年連続でプラスを叩き出すなど鉄壁。第4、第5の外野手にフィットしそうだ。

19.
ホゼ・デバース(SS)/Jose Devers:21歳
MIA傘下に所属する同名ホゼの弟で、BOSラファエルは従兄にあたる。プラスの走力&肩力を有するSS守備が高く評価されており、打撃はパワーレスだがコンタクト能力に優れる。23年はAでwRC+113・34盗塁をマーク。上の階級でも打撃成績を維持できるか。ちなみに兄は21年に21歳の若さでMLBデビューも、ここ2年は打撃不振で昇格できていない。

20.カリル・ワトソン(SS)/Kahlil Watson:21歳
21年ドラフト1巡目。SSで「25-25」が狙えるポテンシャルを秘めるが、プロでは苦戦しており、昨夏のトレードでジョシュ・ベルの見返りとしてMIAから放出された。昨季はA+での81試合で打率.214・12本塁打・OPS.714とブレイクとまでは行かなかったが、三振率を前年の35.1%から26.8%に改善させるなど進歩も見られた。ヒットツールが怪しいが2Aの壁を突破できるか。

2024年3月9日土曜日

2024 CHICAGO WHITE SOX TOP 20 PROSPECTS

2024 CHICAGO WHITE SOX

TOP 20 PROSPECTS

Colson Montgomery


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。


FV60

1.コルソン・モンゴメリー(SS)/Colson Montgomery:22歳
21年ドラフト1巡目指名。高校ではバスケ、アメフト、野球の三刀流で鳴らしたアスリート。パワーとアベレージを両立した攻撃型SSで、6-4/205の大柄な体格を含めてコリー・シーガー(TEX)と比較される。23年はR/A+/2AでOPS.940と順調にトッププロスペクトに成長。MAX打球速度113マイル&チェイス率16%(MLB平均約30%)とパワー&選球眼はすでに素晴らしい水準だ。
Colson Montgomery


FV50

2.
ノア・シュルツ(LHP)/Noah Schultz:20歳
22年ドラフト1巡目の高卒左腕。6フィート9の長身からMAX98マイルとプラスのスライダーを投げ込むポテンシャルの塊。サイド気味のスリークォーターも含めてクリス・セールと重なるものがある。Aでは10先発(27イニング)で防御率1.33・奪三振率36.5%・与四球率5.8%と完璧なデビュー。ローテーション上位クラスのポテンシャルを秘めており、あとは耐久性を証明できるか。
20ホーマー以上を狙えるパワーが最大の武器で、23年は2AでwRC+122・四球率11.1%とヒットツールも成長が見られた。上位10%の打球速度106マイルはプラス水準であり、成長したとはいえ、依然として荒っぽいアプローチを改善し続けることができればパワーとアベレージを両立したスラッガーになれるだろう。3B守備でもBaseball Prospectusの出す守備範囲指標RDAで+4.3を記録するなど健闘。

4.エドガー・クエロ(C)/Edgar Quero:21歳
卓越したコンタクト力を有する攻撃型スイッチヒッター捕手。23年は20歳のシーズンにして2AでwRC+105と健闘。コンタクト率84%(MLB平均77%)、四球率15.8%/三振率16.7%は優秀な水準だ。平均以下のパワーと守備力の向上が課題という点も含めてキーバート・ルイーズ(WSH)が比較対象か。

5.サミュエル・ザバラ(OF)/Samuel Zavala:19歳
ディラン・シースの見返りの1人。パワー&スピードに加えて選球眼も良いダイナミックな人材。23年は10代ながらAで14本塁打・wRC+140、20盗塁、四球率19%と長所を十分に発揮。一方で三振率26.4%とやや空振りが多いのが懸念点。スピードは平均的ながら打球反応やルート取りが良く、チームはCFとして高く買っている。攻守揃ったオールラウンダーとして期待。


FV45

6.ハイロ・イリアルテ(RHP)/Jairo Iriarte:22歳
ディラン・シースの見返りの1人。アスレチックでハイポテンシャルな右腕。全身の力を大きく使ったメカニクスでMAX97マイル。ライズ成分の強い4シームを高めに、キレの良いスライダー&チェンジアップを低めに集めて空振りを誘う。先発に残るにはマイナー4年でBB/9=4.2のコントロールを改善したい。2A昇格後はリリーフとしても試され、6救援で奪三振率40.6%をマーク。クローザー適性あり。

7.ドリュー・ソープ(RHP)/Drew Thorpe:23歳
ディラン・シースの見返りの1人としてSDから移籍。23年はA+/2Aで14勝2敗・防御率2.52・26.9K-BB%と文句のつけようがない好パフォーマンス。完成度が高く、コマンド&緩急を生かした投球で打者を翻ろうする。速球が平均92マイルとパワーレスで、MLBでもパフォーマンスを維持できるかは未知数。エース級の球威は無く、ローテーション下位向きだろう。

8.ニック・ナストリニ(RHP)/Nick Nastrini:24歳
マイナー3年で奪三振率32.7%を誇る剛腕。90マイル中盤でライズ成分の強い4シームがマネーピッチで、スライダー&チェンジアップも3Aでの19.2回という限られたサンプルながら空振り率40%以上を記録するなどキレ良し。通算与四球率11.2%というコントロールの悪さを改善できればローテーション半ばポテンシャル。

23年ドラフト全体15位指名の大学生SS。大学USA代表で正SSを務めた実力者で、完成度の高いヒットツールを評価されている。しかしAでは30試合でwRC+79・GB%=47.7%と不発。また平均以下の走力などMLBでSSを張るにはスペック不足が指摘されており、2Bや3Bの方がフィットするとの見立て。

21年に2Aで15先発/防御率1.77とブレイクした大型左腕。22年をTJ手術で全休、23年は復帰したがA/2Aで14先発/防御率6.35と悲惨な投球内容だった。健康であれば力感のない滑らかなフォームから93-96マイルの4シームとプラスのスライダー、平均的なチェンジアップのコンビネーション。バウンスバックできるか。

23年ドラフト7巡目の高卒選手。オーバースロットとなる契約金100万ドルでプロ入りを決めた。6-7/239の超大型選手で、現トッププロスペクトのジェームズ・ウッド(WSH)やスペンサー・ジョーンズ(NYY)と比較したい。ダブルプラスのパワーを秘めるが、Rでは13試合で三振率33%とコンタクト能力が弱点。


FV40

12.ショーン・バーク(RHP)/Sean Burke:24歳
90マイル半ばのライジングファストと縦に割れるカーブの2球種がプラスピッチ候補で、スライダー&チェンジアップも平均的とボールのスペックはローテーション3-4番手クラス。しかし、健康面とコントロールに不安を示しており、自分の実力を発揮できるかが将来を左右するだろう。

13.ジョナサン・キャノン(RHP)/Jonathan Cannon:23歳
22年ドラフト3巡目。大学3年間でBB/9=1.6、K/BB=5.07とコントロールに優れたストライクスロワー。92-96マイルのシンカーとプラスのカッター主体に多彩な球種でゾーンの内外を揺さぶる。奪三振率20.5%とエース級の球威は無く、6フィート6の体格も含めてローテーション4-5番手のイニングイーター向き。
21年ドラフト5巡目の高卒投手。22年はTJ手術から復帰するとAで21先発を経験。6-5/185(プロ入り後さらに40ポンド増量したとのレポートもあり)と体格に恵まれており、MAX98マイルでホップ変化の大きい4シーム&スピンレート3000rpm超のスラーブ。現段階では未完成だが、伸びしろは大きい。

15.
ペイトン・パレッテ(RHP)/Peyton Pallette:23歳
22年ドラフト2巡目。1巡目候補だったが、ドラフトイヤーにTJ手術したためスリップ。23年は復帰してAで72回/防御率4.13をマーク。健康であればMAX99マイルでホップ変化の大きい4シームと3000rpm超えのカーブのコンボ。投球制限の影響もあり、4イニングより多く投げた試合は無く、アンダーサイズな体格や不安定なコントロールなどブルペン転向のリスクが高い。

バウンスバックを期待しての評価。23年は故障続きでR/2Aで17先発して防御率6.91と苦しんだ。6フィート6の恵まれた体格から93マイル前後の4シーム、平均以上のスライダー&チェンジアップとスペックはローテーション4番手クラス。健康に1年を過ごし、実力を発揮できるか。

17.
プレランダー・ベロア(RHP)/Prelander Berroa:24歳
グレゴリー・サントスとのトレードで今オフSEAより加入。100マイル超えの速球が武器のハードボーラー。23年よりリリーフに転向すると2Aで防御率2.89・奪三振率36.6%と開花。与四球率14.1%とコントロールに問題があるが、ハマれば球界トップクラスのクローザーを狙える逸材だ。

デビッド・フレッチャー(元LAA)の弟で、WBCではイタリア代表として侍ジャパンとも対峙した。走攻守に完成度が高く、最低でも第4、第5の外野手になれるだろう。ラインドライブを量産するコンタクト能力と鉄壁の外野守備が武器。3A通算167試合でOPS.853。23年はMLBでの28試合で打っては打率.301・OPS.791、守ってはDRS+4、OAA+2をマーク。
フェルナンド・タティスJrのいとこ。23年はA+/2Aで17本塁打・OPS.790。上位10%の打球速度106マイルはプラス水準であり、また20歳のシーズンながら2AでwRC+129した点は評価したいが、四球率4.9%と極度のフリースインガーであり、MLBでパワーポテンシャルを発揮できるかは疑問。さらに、守備力の弱さもネック。

20.
フアン・カレーラ(RHP)/Juan Carela:22歳
キーナン・ミドルトンとのトレードで昨夏NYYから加入。NYYお得意のスライダー魔改造により、大きく横滑りするスイーパーを習得し、マネーピッチに変貌。スピンレート2400超えのシンカーと組み合わせてゾーンの内外を揺さぶる。23年はA+で115.2回を投げて防御率3.58・奪三振率27.9%・与四球率8.8%と安定した内容。2年連続100イニング以上を消化するなど耐久力も備えるが、複雑な腕のストロークと平均92マイル程度の球威面からブルペン転向が現実的か。


FV40-

21.グラント・テイラー(RHP)/Grant Taylor:22歳
23年ドラフト2巡目。大学2年のシーズンはリリーフ中心の起用で防御率5.81・与四球率13.9%と不安定な内容だったが、夏のケープコッドリーグで防御率2.04・与四球率2.6%と好投。しかしTJ手術によりドラフトイヤーは全休となった。オーバースローから角度のある93-95マイルの4シーム、カッター、スライダー、カーブ。まずは健康に復帰できるか。

22.
セス・キーナー(RHP)/Seth Keener:22歳
23年ドラフト3巡目。大学ではリリーフ中心の起用(8先発/15リリーフ)ながら70.1回で防御率2.69・K/BB=4.70をマークするなど先発として開花する可能性のある右腕。93-94マイルで伸びのある4シームと平均以上のスライダーのコンビネーション。先発投手としての経験が乏しく、マイナーで先発経験を積んで実力を証明していく必要がある。

パワーリリーバー。オーバースローから伸びのあるMAX100マイルの4シームとキレの良いスライダーのコンビネーションで高い奪三振率を誇る。2A/3Aでは奪三振率38.3%をマーク。一方で細かいコマンドには乏しく、与四球率11.7%・HR/9=1.7。セットアップ以上の序列に加わるにはコマンドを磨いて投球内容を安定させたい。